«頭では分かっているのだけど。»

どうしようも出来ないから苦しい。
と、今まで何度も言ってきた。

分かっているのに出来ないという事がどれだけ苦しいか。
分かっているのに何で出来ないのかと自分を責める事にもなる。
分かっているのに出来ないのは、
結局自分にやろうと言う気がないからなんだろうか、とか、
本当は出来るのに出来ないといって
ただ甘えているだけなんだろうか、とか、
努力が足りないんだろうかとか、
だんだん、自分の気持ちが分からなくなってくる。

ただ言えるのは、分かっているのに出来ないという事。
自分の無力さを痛感する。

私が生き苦しいのは、
自分が作り出した怪物（歪んだ母親像）に
自分を縛り付けているからであって、
現実がどうなのかという事はあまり関係ない。
いや、関係はあるんだけど、
現実がどうあるかではなく、
現実をどう見ているかどう感じているかが、大きな問題。

私は、現実を現実として捉える事が出来ず、
現実をかなり歪んだ形で見ている。
だから、夫の何気ない一言で怒りを爆発させたり、
見捨てられたと思ったり、
子どもの何でもない行動に苛立ってしまったりする。

親にどう思われていようと、
私の人生は私のものであって、
親に支配されるものではない。
親は親、私は私。
親から生まれたけれど、同じ個体ではなく、別の個体で、
違っていて当たり前で、
だからこそ、別の人生を歩むものなんだけど、
それが頭で分かっていても、
支配から逃げる事が出来ないでいる。

実際に母親に支配されているんじゃない。
自分が作り出した像に私は支配されている。
私が思う母親は、私が作り出した母親で、
本当の母親は私が思っているような鬼母ではないんだと思う。
だけど、現実をそのまま見る事は、
私にとって凄まじく恐ろしい事で、
現実を現実のままで見るほうが生き易いと分かっていても、
現実を見ることが出来ない。

もし現実が、私の思い描いている通りだったら、
本当に私は私でなくなってしまうから。
その通りではないのかもしれない現実、
でも、その通りであるのかもしれない現実。

偽りの中で生きてきた私は、
現実の中で生きていくことが出来ない。
ずっと、歪んだ現実の中で生き続ける。

自分が居ないんだ。
現実に生きてないから、自分が居ない。
居ない自分の存在をどう証明したらいい。
居ないものをどう存在させたらいい。


書いているうちに何が言いたいのか良く分からなくなってきた。

ただ言える事は、
頭では分かっているのに出来なくて苦しいという事。
分かっていながら出来ない事が、苦しくて仕方がないということ。

何度でも言う。
私は死にたくない。
私は夫を傷つけたくない。
私は子どもを傷つけたくない。
私は暗い日々を過ごしたいわけじゃない。

私は、暖かい日々を過ごしたいだけなんだ。