«自傷とタバコと酒（長文）»

昨日、自傷がもう使えないことを知った。
行為そのものはとんでもない事だけど、
私には最後の手段だった。
心の支えだった。

どんなに辛くても、切った後に後悔しても、
それでも、
その行為で救われる瞬間がある。

どうにもならなくなったら、そこに逃げればいい
最後の砦だったんだ。


だけど。
切って我に返るなんて。
今までにない経験だった。

切った瞬間。
裂けた皮膚を見た瞬間。
私は何をしてるんだって思った。
滲み出る血を見て、馬鹿なことを･･･と思った。
それ以上はどうしても切れなかった。

もう救ってはくれない。
逃げ場でもない。

リストカッターからリストカットを奪ったらいけないって、
私は今までに何度か言ったことがある。
昨日、まさにそれを経験したような気分だった。
ちょっと違うけどね。
自傷と言う逃げ場を奪われたら、
こんな気持ちになるんだって思った。


パニックになった。
これからどうしたらいい。
頼っていたものはもう頼れなくなっていた。
逃げ場が逃げ場じゃなくなっていた。
私は何に頼って、何に逃げたらいい。
何も無いままでこれからどうなる？
抑え切れない衝動がどんな形で出るようになる？
それは、幼い子どもに向かってしまうの？

それだけは何としてでも避けたい。
だけど。
手段がないんだ。

どうする。
どうなる。
どうしたらいい。

ホントにパニックだった。
自傷を失って、途方に暮れてしまった。


逃げるように家を出て、タバコと酒を買った。

買ってすぐ、タバコに火をつけた。
路上喫煙にポイ捨て。
どっちも私の中では許せないものだったのに、
どうでも良くなっていた。
とにかく、何かに縋りたかった。

2年ぶりのタバコは、美味くも不味くもなかった。
ただ、懐かしい味がした。
煙を吸うたびに、むせそうになった。
メンソールだから喉への刺激も強い。
でも、2,3本も吸えば慣れてしまうんだろうな。

吸って少ししたら、頭がくらくらし始めた。
身体中の血液が足に引っ張られるような感覚。
頭がフラフラする。
下を向くと、足がもつれる。

結局、1本全部は吸えなかった。
3分の2くらいで火を消した。




帰ってから酒を飲んだ。
買ったのは、缶チューハイ2本と小さな瓶の梅酒。
これも2年ぶり。

チューハイ1本しか飲めなくなっていた。
それがまた私を悲しくさせた。
前だったら、こんな量なら簡単に飲んで、
ワインや日本酒にも手を出していたのに。

チューハイ1本じゃ、やけ酒にもならない。
酒も飲めないなんて。
悲しかった。







きっと。
この先、自傷をする事はもうないだろう。
それは、良い事なんだとは思う。
切れないということは、
私はもうそれを必要としてないという事なんだろう。
自傷に頼らなくても何とかなるようになった、
と言う事でもあるのかもしれない。

喜んで良い事なんだろうけど。

これからどうなるのか、それが不安で仕方がない。
もし、子どもに向かうようになってしまったら･･･。
まだ自分に向けていたほうがマシだ。



どうなるかは分からない。



どうかどうか
子どもだけは傷付けないで済みますように。

私と同じ思いだけはさせたくないんです。