«NO TITLE»

相変わらず寝なくて泣きわめく息子。
うるさいと思った。
口に出して言う。

うるさい
うるさい
うるさい
うるさい

言えば言うほど腹が立ってきた。
タオルが目に入る。
顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃだから拭こう
そう思ってたのに、
私は息子の口をタオルで塞いでいた。

切羽詰まると何をしでかすか分からない。

孤独なんだよ。
誰も助けてくれない。
誰も居ない。
私だけで何とかしなきゃいけない。
どんどん余裕がなくなる。
怒りのコントロールが出来ないから、
一度出してしまったら止まらない。


今、息子は私の腕の中で眠っている。
一人で寝かすんじゃなく、
最初からこうして抱いて寝かせれば良かったんだ。
うるさいと口にしたとき、腹が立つことに気付いた時点で
言うのを止めれば良かったんだ。

まだまだ未熟。
母親失格と嘆くことは出来るけど、
そんなことをしてる暇があるのなら、
少しでも変わる努力をせねば。

悔しい。
子どもを虐げる方法は幾らでも知ってるのに
愛し方が分からないなんて。

«良い親って？»

良いお母さんって何だろう。
どんな人のことを言うんだろう。

何よりも子どもの事を優先して、
自分のことは犠牲にして、
イライラしていてもその感情を押し殺せて、
常に笑顔で接する事が出来る人？

それとも

子どもと同じ目線に立って、
時には子どもに自分の負の感情も素直に出して、
まるで子どものように
一緒になって泣いたり怒ったり出来る人？

他には？


分からない。

良いお母さんって何だろう。

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一昨日くらいから、
自分でも抑え切れない怒りがこみ上げて来る。
なぜか分からない。
息子のちょっとした愚図りで、
家事をちょっと邪魔されただけで、
ほんの少し寝つきが悪かっただけで、
一気に頭が沸騰する。
そして、抑え切れない。

息子に向かって暴言を吐き続ける。


そんなに寝たくなければ寝なきゃ良い
永遠に寝るな、一生起きてろ
何がそんなに気に入らない
泣けば済むと思うな
アンタがいると何も出来ない
邪魔なんだよ
うるさい静かにしろ
馬鹿みたいに泣くな


自分でも嫌になる。
頭では分かってる。
息子が悪いわけじゃないし、
私は息子に対して怒ってるわけでもない、と。
何かに対する怒りを息子にぶつけているだけなんだ、と。

分かっていても止まらない。
これが虐待だ。
悪いと分かっていても、自分を抑えられない。

怒りは一時的なもの。
時間が経てば鎮まる。

そして私は罪悪感に襲われる。

何であんなにイライラしてたんだろう
息子が悪いわけじゃないのに
自分が言われて傷付いた言葉なのに
何で同じ言葉を吐いてしまうんだろう

ごめんね、と優しく息子に言う。


溜息。
まさに虐待の心理そのものじゃないか。
何に対する怒りなのか、早く見つけなきゃ。

犠牲になるのは子ども。

イライラがおさまらなくて、
でも息子にぶつけるのも躊躇われて、
（結局ぶつけてしまってるのだけど）
飼い猫に矛先を向けてしまう。

猫も良い迷惑だ。


私は何に怒ってる？

«NO TITLE»

イラナイ人間は必要とされるわけがなく
ただ仕方なく産み落とされたのだから
存在の意味などどこにもない

人である意味もない
イラナイのだから

物以下の存在
ゴミにすらなれない
誰にも使われず捨てられるのだから


迷惑なものでしかない

«NO TITLE»

永遠に支配され続ける


自分がそう望んでいるの？

«NO TITLE»

許せない
恨むことしかできない
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結局、イラナイんだよ
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誰かの、何かの代わり
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なんで生まれてきた？
理由は簡単

『堕ろす理由がなかったから』

ただ、それだけ。
一度堕ろしていたから、
二度目は生むしかなかった。

それだけのこと。



必要とされるわけがない。






イラナイ子なんだから。